分骨とは
一.分骨とは
分骨とは、何らかの理由により遺骨の一部を分けること(分ける理由は後述)を言います。
分骨する際には、以下の三つの場合が考えられます。
A.お墓に既に納骨されている遺骨を分骨する場合
お墓に既に納骨されている遺骨を分骨するには、お墓を建ててある墓地,霊園の管理者(又は会社)に分骨の意思があることを伝えます。墓地,霊園の管理者からの同意を得て、手続きを済ませます。お墓のある墓地,霊園が公営または民営だった場合は寺院のご住職にお布施を包みます。
この場合の手続きは基本的には改葬と同じ手順です。
B.火葬後、すぐに遺骨を分骨する場合
火葬後、すぐに遺骨を分骨する場合には、前もって火葬場にその意思を伝えておきます。そして、葬儀社に分骨用の骨壷の用意を依頼しておき、骨上げの際にその分骨用の骨壷に遺骨を移すように致します。
C.お墓に納骨する際に遺骨を分骨する場合
お墓に納骨する前に分骨を行う場合は前もって墓地,霊園の管理者にその意思を伝えておく必要があります。それは納骨の際にお墓を建立した墓石・石材店が遺骨をお墓に移す場合があり(素人ではちょっと無理なことがある)、そのことを墓石・石材店にも伝えるからです。分骨用の骨壷を墓石・石材店へお願いするように墓地,霊園の管理者に伝えておいた方がよいと思います。
納骨法要の読経が終わった際に遺骨を分けるようにして、分骨を行います。
二.分骨が必要なとき
分骨が必要なときというのは実際にどういうときでしょうか。少し考えてみましょう。
A.お墓が遠くにあり、改葬を考えているが……
お墓が遠くにあり、お墓の面倒をみるのが難しいから改葬をかんがえている。しかし、そのお墓の近くにも一応面倒を見てくれる親類がいて、その方は改葬に反対している場合があります。
反対する親類からすると遺骨が故郷から離れるというのはかわいそう というところでしょうか。その際に分骨を相談してみるといいと思います。しかし、分骨した後に新たにお墓を建立するとなると経済的な負担もあるので、よく考えて、ご家族や親戚と相談なさる必要があると思います。
B.とても大切な人だったから……離れたくなくて
分骨する理由としてはこれが多いような気がします。とても大切な人だったために離れたくないということで手元で供養したい。でも、きちんとお墓にも入れてあげたいということで分骨をされる方もいらっしゃるようです。最近では遺骨を入れられるペンダントなどが販売されていたりしますので、分骨すればいつでも、肌身離さずに持ち歩けるという時代になりました。
少し余談ですが、ペットを亡くした場合に、そのペットの遺骨を肌身離さずいれるためにそういったアクセサリーなどを購入する方が増えているようです。
C.散骨・樹木葬などをするために
分骨して散骨や樹木葬、または遺骨をダイヤモンドにする供養の仕方を選ぶ方も増えてきています。亡くなった方の希望で散骨や樹木葬をしてほしいといった場合に前述のBの場合と同じくお墓にも入れてあげて、分骨した遺骨を散骨や樹木葬などにすることもあるようです。
三.分骨をするにことにあたって注意したいこと
分骨する理由はそれぞれの遺族で様々な理由があると思います。そこで分骨の際に注意しておいた方が良い点を記載してみました。
- 分骨する際は必ず、他の家族や親族とも話をする
- 既にお墓に納骨を済ませている場合はそのお墓のある墓地,霊園の 管理者に分骨の意思を伝える
- 火葬後に納骨する際は、事前に火葬場へその旨を伝えておく
- 納骨の際に分骨をするなら、事前にご住職や墓石・石材店に その旨伝えておく
- 墓地,霊園の管理者や寺院から分骨証明書を取得する (分骨して改葬する場合に必要)
- 分骨した場合の使用許可証に氏名が記載されない場合があるので、 事前に確認しておく必要がある
ご遺族間でそれぞれの倫理感や宗教観念があるとおもいますので、よく話し合って、分骨される必要があります。また、分骨した遺骨の改葬や散骨,樹木葬をする場合には許可証などの書類が必要になります ので、事前に業者などに確認をしてください。
四.分骨……補足
分骨をする理由もそれぞれありましたね。本当はもっとあるはずです。その分骨をする際に相談があったことを2例ほどまとめておきました。
A.分骨して手元供養にしたけれど
分骨して手元供養を希望された方で時々いらっしゃるようですが……。時が経つにつれて、分骨した遺骨がホコリをかぶるようになった……。または、分骨した遺骨がどこにいったかわからなくなった。
こういうことはないようにしたいですね。
B.遺骨の所有権
配偶者の遺骨を新しいお墓に移したいが、配偶者の両親に反対されている。この場合はどっちが遺骨の所有者になるのか。
これも骨肉の争いでしょうか。裁判までいくこともあるようで、最近の判例では配偶者の方に遺骨の所有者である権限があるようです。しかし、配偶者の方に遺骨を所有する権限があるというだけで、倫理感や宗教観によりその遺骨の供養の仕方というのは遺族の気持ちを考えた上で遺骨を供養しなければ、争いごとになってしまうことが多いので注意しましょう。
分骨の補足に関しては言われないでもわかっているという方が殆どのことでしょう。ただ、実際にこういうこともあるんだなぁっと気をつけようと思っていただけると幸いです。
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