寿陵墓ってどんなお墓?

 ‘寿陵墓’ってどういう意味でしょうか。‘寿’って縁起の良い言葉ですね。では‘陵’ってどんな意味でしょうか。‘陵’の読みは‘みささぎ’で、基本的には天皇や皇后、皇族のお墓を表す言葉だそうです。沖縄には‘玉陵(たまうどぅん)’と呼ばれる琉球王朝時代の琉球王族のお墓がありますから、国の 王様クラスのお墓ってことですね。


 この‘寿’と‘陵’が合体した‘寿陵(じゅりょうと読みます)’は「生前にお墓を建立すること」という意味になります。時々生前にお墓を建立することは縁起が悪いと言われる方がいらっしゃいますが、本当にそうでしょうか。有名な外国の王様や皇帝(エジプトや中国)も生前にお墓を建立していますし、日本の天皇だってそうです。また仏教の教えにも生前にお墓を建立することは‘新しく生まれ変わる’という意味があり、‘寿陵’という言葉はまさにその意味を表現している言葉です。


 寿陵墓(生前墓ということもある)を建立することで新しくこの世に生まれ変わり、今までの罪や病気を落として新しく出発するということなのです。


 寿陵墓の場合、仏石(棹石)の裏側に書かれる建立者名は(各地域に よって違いますが)朱色に塗られることが多いようです。建立者が 亡くなった際に別の色に塗りかえられます(この色も各地域で違いが あったりします)